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デイリーポータルZ × 東京カルチャーカルチャー

インタビュー風景

社員対談

デイリーポータルZ × 東京カルチャーカルチャー

デイリーポータルZ 編集長 林 雄司 × 東京カルチャーカルチャー 店長 横山 シンスケ

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-お二人の経歴を簡単に教えてください。

僕は最初に就職したのが富士通グループのジー・サーチっていう会社です。当時「ニューメディア」っていう言葉があって、出版と通信両方に関わる仕事ないかなと思って。そこに6年いて、1年の約束でニフティに出向して、結局転籍しました。ニフティに来て最初の頃は旅行のテーマサイトをやっていましたね。

横山 僕はグラフィックをやりたかったので美術大学を受けて、全部落ちた。それで結局、デザインの専門学校に入りました。それが東京に出てくるきっかけです。僕、実はグラフィックデザイナーなんですよ。信じらんないってみんなに言われるんですけど。その頃は「これからインターネットが来る」っていう感じでした、デザイナーやりながら。

-その後どういう経緯でイベントの仕事をするようになったんですか?

横山 TVの仕事やってたことがあるんですけど、そこが鬼みたいにきつくて。そこを辞めてもう何もなくなった時に、ちょうどロフトが飲み屋を出すんでスタッフ募集してるって聞いて。なんとなく「ここ、いいな」って思って入ったら、ちょっとTVっぽいというかトークライブの形だったので、あ、ブッキングできるかなと思ってやってみたら、才能が開花しましてですね。で、なんとなくそこからずっと、10年くらいいた感じですね。30代が全部ロフトで、40代が全部ニフティみたいな感じですよね。

-20代は?

横山 自分探しです・・・。ケーブルTVのADとか、デザイナーやったり。

僕は20代はジー・サーチで営業やってましたよ。最初2年くらい営業部所属で、その後会社がインターネットの仕事を始めるようになって、僕もなんとなくHTML覚えて家でやってた。それがWEBサイト「東京トイレマップ」ですね。

-お二人の出会いは?

最初にロフトプラスワンでイベントやったのは2000年です。「死ぬかと思った」の本を2000年に出して、すぐに声かけてもらいました。

会社の仕事も個人サイトくらいまじめにやろうと思った。

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-林さんはどうしてデイリーポータルZを始めたんですか?

いや、なんかまじめに働こうと思ったんですよ。ちゃんと、会社の仕事も個人サイトくらいまじめにやろうと思った。旅行のサイトは仕事だからと割り切ってやっていたんですけど、急になんか、そういうのは良くないって思ったんですよ。本も出したし、会社辞めてもいいかなって思ってたんです。でも、辞める前にちゃんと会社で、個人活動でやってきたことをベースにしたふざけたことを、個人名も出して、仕事としてやろうって思ったんですよね。

-その何年か後、どうしてカルカルをやることになったんですか?

なんか横山さんが「俺、店やめて独立したい」って言ってて。それで、その時の上司にその話をちょっとしてみたら、すごい乗り気になって「うちでやろう!」みたいなこと言い出しちゃって。僕はまあ、ニフティがちょっと出資するくらいならいいかなくらいに思ってたんだけど。

横山 林さんはむしろ嫌がってたくらいな感じでしたね。僕がやっと覚えたワードか何かで作った企画書を、ボスに「面白い」って言ってもらえて。タイミングが全部合ってたのかもしれないな。

-ニフティでイベントハウスやらない?って言われた時、どう思いましたか?

横山 「やったー!!」って思いましたよ。林さんがさっき言ったみたいに、僕もちゃんとしたかったっていうか、好きなことでちゃんと食っていきたいと思っていたので。渡りに船ですね、本当に。今思うと。

-デイリーはカルカルを応援しようって最初から思っていたんですか?

そうですね、デイリーの新しい展開としてのカルカルっていう位置付けで、そういうストーリーで役員会で説明しましたよ。それに横山さんを会社に入れちゃったから応援しないわけには・・・普通にしれっと会社に座ってるから、どうしよう、やらないわけにはいかないって(笑)

横山 面倒くさいチンピラっぽい人が会社に座ってるんだもんね。よく考えてみればそうだ。それは放置できないよ。

200人くらいの、みんなが熱狂するような濃いエンターテイメントが世の中には存在していて、それはネットとくっついているものだから、そこを取ってきましょうっていう話をしました。

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-どうして名前に「カルチャー」って入れたんですか?

僕が役員会で、TVみたいな数万人規模のエンターテイメントじゃなくて、200人くらいのエンターテイメントが世の中にはありますっていう話をしたんです。数万人だとみんながだいたい面白いっていう感じだけど、みんなが熱狂するような濃い200人っていうのがあって。そういう規模のカルチャーを受け入れるには、実はリアルがいちばん手っ取り早いっていう話をしました。「その200人のカルチャーっていうのはネットとくっついているものだから、ニフティはそういうカルチャーを取ってきましょう。で、そのベースとして、東京カルチャーカルチャーは有効です。デイリーポータルZはその200人のカルチャーの一つなんです。」そういう話をしたんです。ネットとリアルはくっついてるんですよ、そういう狭いカルチャーで。TVでお笑い番組も観るし、狭い方にも興味がある。そういうスモールカルチャーがある。「ビッグマイナー」って言ってました。

横山 僕は全部後付けですね。実は「サブカルチャー」っていう言葉もね、今もあんまりわかってないっていうか。たとえば、メジャーなアイドルグループがいる。でも、そのアイドルを「語る」ってなると急にサブに行くんですよ。僕のイメージ。だからね、サブカルチャーに表現があるとしたら、説明しないとわからない文化なんですよ。ただ僕は、来るものを普通にやってただけ。そこしかやれる箱がないから、そういうものが寄ってくるっていう。だからちょっと変わったカラーのものも普通に受けている。別にサブカル的なものを好んで受け入れているわけじゃないんです。基本的には来るものを拒まずっていう感じです。

カルカルは箱なので、インフラという面もあるから選り好みしなくていいんじゃないかな。カルカルは城とか歌舞伎とかもやるじゃないですか。それってメインカルチャーなんですよね。なんかもう、メインもサブもない。今やカウンターカルチャーに対するメインカルチャーってないですもんね。野球なんかも今、球場でスコアつけたりして、本当はメインカルチャーなのに、アプローチの仕方はサブカルチャー的ですよね。なんか急にデイリーがTVとかに出されちゃうのは、そういう、メインがなくなってきてるからそういう風になってるのかな。

横山 僕も最近そういう危機感がある。カルカルで作ったものがバイラルメディアによって、なんかこう、ふわっと拡散されたときに、全然自分のものじゃなくなっていって。でも、今の若い子たちは、みんな普通にそれでいいんだよね。札束風呂って面白いってなったら何かよくわからなくても拡散する。自分たちが一生懸命手塩にかけて作ったコンテンツが、そんな風に自分と関係ないところで消費されていくのはなんだか悔しい気持ちもありますね。

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きちんと説明すること。母親に見せてもわかるようなものにしようっていう「お母さん基準」っていうのがあるんです。

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-イベントやコンテンツ、ものを作ることに関して気をつけていることはありますか?

横山 どんなものでもバカにしないっていうか、ちゃんと認めること。「誰も傷つけない」っていうのはありますね。

横山さんと同じで、「人を傷つけない」っていうのは意識してますね。好きなものを説明するっていう態度。好きなものを題材にすればそんなに悪口にはならないから。あと、「きちんと説明する」っていうことかな。それまでのマニアなものって専門用語使って知らない人を排除する方向なんですよね。それをなくそうっていう感じです。母親に見せても何言ってるかわかるようなものにしようっていう「お母さん基準」っていうのがあって。タイトルも本文も、わからない言葉をなくすこと。わらかない言葉をなくせば何でも題材になる。

横山 でもやっぱり、林さん独特の目利きはあるでしょう?「海ってすばらしい!」とかは言わないじゃない、絶対。

一回あきらめた感じがあればいいんですよ。一度引きこもりになって、そこから「やっぱり海がいいよね」みたいな。一回あきらめてからの「好き」はなんでもOK。

横山 誰もまだやってない感はどっかで意識してるところがあって、イベントも、「こんなタイトル誰もやれないだろ」っていうのはあるし、札束風呂みたいな、本気でやろうとしてるバカはいないようなことを実際にやってるとか、「これ面白いですよね、実は」みたいなものを表に出したいっていうのはありますよね。でも実はそこに熱量があるとは思ってないんですよ。なんとなく自分と同じ思いの人が横にいるっていう空間ができれば正解、くらいに思ってます。

インターネットって、全部一人でできちゃうのがいいですよね。大事なプロセスを経ないで外に出ちゃうのが面白い。

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-インターネットの面白さってどういうところだと思いますか?

全部一人でできちゃうっていうのはいいですよね。大事なプロセスを経ないでも外に出ちゃうっていう。デイリーの記事は、企画書とかないんです。たとえば、変わったおもちゃ作りたいってなった時に、「物」だったら、工場行って金型作る人に説明したりして、途中の段階で第三者に説明しないといけない。そういう説明をしないまま、もやーっとしたまま出るっていうのがネットの危険なところでもあるんだけど、面白いところですよね。冷蔵庫の中に入ったらなんで面白いのかって説明できないんだけど、やっちゃった人がいたじゃないですか。あれは怒られるんだけど、なんであれが面白いか、なんでやりたいのかを意識的に考えないままやってたのが、良いとか悪いとかは抜きにして、インターネット的ですよね。

横山 すぐ出せる。たしかにそうだな。

あと、札束風呂とかハトマスク被らせたりとか、最近は来た人に何かやらせるようにしてるんですけど、そうするとやった人がTwitterとかFacebookにそれを載せるんですよね。それがまた広がるので、ハトマスク配る人は100人なんだけど、それを観る人は1000人以上になるんだよね。今はわりと、そういうのに火をつけるような企画がおもしろいですね。

横山 カルカルを作る時、キャッチコピーで「ネットとリアルを結ぶ次世代イベントハウス」っていわれて、インターネットって面白いんだよって伝えるのが、デイリーの役割だと思ってたんです。でも、今はもうネットもリアルも地続きなので、さっきのその「すぐやれる」っていうのをリアルでやれるのがカルカルだなって思ってます。思ったらすぐやっちゃえっていうのがすぐできるのがカルカル。

若い人達に、「絶対自分たちが正しいと思ってやれ」って言ったことはありますね。後から意見を翻す大人たちを信用するなと。

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-インターネット業界には今後どんな人材が必要だと思いますか?

軽はずみで迂闊な人じゃないですか。(笑)思慮深くない人。バカなやつ。冷蔵庫入っちゃうやつ。これは喩え話なので本当に入らないように。

-今の新人とか20代の人たちのことをどう思いますか?

みんなすごいちゃんとしてるんじゃないですか?あとは肌がきれいだなっていうくらいかな。なんか変態っぽいですね(笑)

横山 最近、カテゴライズしたがりますよね。ゆとり世代だとか。それで実態がなくなってきているように感じる。80年代ってすごいバカにされてたっていうか、上の人たちに「何も生んでない」みたいに言われてたんですよ。それが後になって「80年代面白かった」とか言われて、ホント頭にきたっていうか。だから若い人達に、「絶対自分たちが正しいと思ってやれ」って言ったことはありますね。そうやって後から意見を翻す大人たちを信用するなと。

-尊敬する人っていますか?

尊敬っていうのとは違うけど、面白いなっていう人はいますね。僕、南伸坊さんが好きですよ。あの人の昔の写真集とかってすごく共感するものがあるんです。自分の等身大パネルを作って、等身大パネルか自分かを写真で当てさせるとか、一番好きなのが、煙突の上から撮った写真を大伸ばしにして、その上に立って「怖い!」みたいなのを撮るんですよ。ただの平たい写真なんだけど。これデイリーでやりたかったなぁって。

横山 次はどこに行けばいいかなって、林さんが今どこ見てるかなっていうのは気にしてますね。林さんに「Twitterって知ってる?」って言われた時に、「これからはこれだな」って思ったけど、意味は全然わからなかった。何をどう使えばいいかとか、どこに向かえばいいかは、実際、林さんをちょっと意識してますね。

-林さんは、横山さんにそういうインプットをしたら面白いだろうなとか意識してるんですか?

うん。横山さんがいつもLINEでメッセージ送ってくるんだけど、僕はLINE使わなくてめんどくさいから、Facebook使ってくんないかなと思って、「フェイスブックがいいよ」とか「これからはフェイスブックだ」とか言ってみたりしています(笑)

最先端のものを変な使い方するっていうのが好きですね。たとえばフィジカルデバイス使ってるんだけど、アウトプットは「目玉が回る」みたいな。

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-今、一番注目していることは何ですか?

横山 ライブハウスの宿命なんですけど、みんな卒業していくんですよね、売れたら。そこで僕らはずっとこれを続けるのかどうかっていうのはずっと自問自答してますね。それから、林さんと出会った時は、プレゼンするっていうスタイルを見たことがなかったんですよね。パソコン持ってきて面白い写真見せるっていうことをやってる人はいなかった。

僕はサラリーマンだからね、ベースが。プレゼンするよね。

横山 林さんのプレゼンをみて、「俺もできるかも」って思った人たちが今は主役をはってるんです。あれは林さんの発明だったと思うんですよ。ネットとリアルをつなぐところの。

-林さんの注目していることは?

実はコンピューターが大好き。ウェアラブルなもの、メガネとか時計とか 最近で言うと心拍数で光が変わるカラータイマーみたいなやつとか。ああいうのが出ると、「あれ買わなきゃな」ってなります。フィジカルデバイス使ってるんだけど、アウトプットは「目玉が回る」みたいな。最先端のものを変な使い方するっていうのが好きですね。いつもウォッチしてます。

-今の仕事、楽しいですか?点数にすると何点?

横山 楽しいです!すごく。

そりゃ100点ですよ。こんな仕事があるのがいいところじゃないですかね、ニフティの。

横山 でも、なんとなく扱いづらいんじゃないかなとは思う。カルチャーセンターじゃない参加型エンターテイメントっていうのを作らないと、そこに行かないといつ終わるかわからないっていう危機感はいつでもあるんですよ。

ジャンプでいえば「こち亀」みたいなもんじゃないですか。やっぱりデイリーは、メインのサービスあってのカウンターなので、こういうのもあるよっていう。だからメインのサービスの人たちにはがんばって欲しいです。

社員紹介

  • 横山 シンスケ 横山 シンスケ 企画・営業 東京カルチャーカルチャー 店長
  • 林 雄司 林 雄司 企画・営業 デイリーポータルZ 編集長

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