空中に小さな公園を作って、グレーをグリーンに
――このプロジェクトの源となった想いとは?松本 フィル・カンパニーは南青山のIDEE(イデー)というインテリア・ショップに出入りしていた仲間たちで起ち上げた事業なのですが、当時、駐車場がものすごい勢いで増えていたんですよ。駐車場は経済効率性がいいという地主様が増えてて、青山の周りも駐車場がどんどん増えている時代でした。それを見ていて、「確かに地主様にとってはいいかもしれないけど、それは都市にとって本当にいいことなのか」って考えたんですよね。ヒートアイランド現象に悪影響を及ぼしてるわけですから。その一方で、そんなふうに土地が占有されているために、都心で空間を持ちたくても実現できないという事業主様がたくさんいる。そこをなんとかできないかと、仲間たちと考えていました。そしてもうひとつ、「都心には、ほっとできるところがないな」って、ずっと思っていたんですね。マッサージやフィットネスクラブはあるけど、本当に自分をオフにできる空間がほとんどない。だけど、都心でも庭園美術館みたいに緑がある空間では心が落ち着くし、そこにいる人たちってみんないい表情してる。「ああ、こういう空間が、もっと近くに欲しいな」って。その2つの想いが融合して、「じゃあ、駐車場の空中に事業用の空間を作って、その屋上に小さな公園を作ろう」ということになったんです。
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| 「フィル・パーク中目黒」が建つ前のスペース。都心では見慣れた、簡素なコインパーキングだった。 | 完成した「フィル・パーク中目黒」。建築部分は、インテリアショップとしてにぎわい、大きな買い物をするため車で訪れる客によって、来客駐車場の利用率も上がった。 |
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駐車場から広がる無限の可能性
松本 スタート当時は、地主様にこの事業をご理解いただくのに時間がかかりました。「新しい考えで面白そうだね」と言ってはいただけるけど、実現にはなかなか至らない。しかし最近は、今あるフィル・パークを見て、興味を持ってご連絡をいただいたり、事業をお考えの方から「この駐車場の上で、やってみたい」と、ご相談を受けることも増えました。事業スペースは、ギャラリーやサロン、カフェにもご利用いただけますし、屋上の用途は、全面菜園や温室なども可能性として考えています。これからは、地域に貢献したいという地主様、屋上緑化に協力したいという企業様と、どんどん協力していきたいですね。日本に存在する駐車場は、都心に3万カ所、全国で10万カ所です。その駐車場を緑化すれば、それだけ環境も良くなるはずですから。松本理寿輝プロフィール

フィル・カンパニー
都会の好立地駐車場の空中スペースを活用して、テナントスペースの創出と屋上を公園化する事業を展開。06年3月に東京駅八重洲口に1号物件を開業、独自の環境循環型建築システムも注目を集めている。建築費用は、車5台分面積の1層建築(屋上緑地込み)で、2500万〜3000万円。さらに、リユース建材を使用する場合、建築費用の削減が可能。フィル・カンパニーHP(http://www.philpark.jp)


